foobar2000とcueシート
音楽CDイメージの取り扱い方†
- foobar2000における、まるごとリッピングした音楽CDイメージの便利な取り扱い方法(トラックの頭出しやプレイリスト管理)について
cueシート + 音楽ファイル (外部cueシート)†
一般的な形式。
- 対応フォーマット : foobar2000がサポートしている全てのフォーマット
- 長所
- 対応アプリが多く、汎用性・知名度が高い。
- 直接再生できるのは foobar2000 の他に SoundPlayer Lilith ・ KbMedia Player ・ Winamp (CUE Playerプラグイン)・MPC-BE
- デコードしてやれば容易にDaemon Toolsなどでマウントでき、可逆圧縮の場合EAC(ape,wavは読み込み可能)などで品質を損なわずに焼き戻したりできる
- cueシートが単体のファイルとして露出しているのでテキストエディタで簡単にタグ情報を編集できる。
- 短所
- cueシート + 音楽ファイル のあるフォルダをfoobar2000に読み込ませると音楽ファイルまでプレイリストに登録されてしまうので管理しづらい。しかし音楽ファイル(またはcueシート)を隠しファイルにすることにより、プレイリストに登録されるのを防ぐ。
- タグ周りに制限が多い。
Internal cuesheet (内部cueシート)†
音楽ファイルにCUESHEETタグとしてcueシートを記録する。foobar2000独自の機能である。
- 対応フォーマット : Monkey's Audio / FLAC / WavPack / TAK / TTA(foobar用プラグインv2.4.3)
- 長所
- 1アルバム1ファイルですっきり管理できる。
- cueシートの編集をfoobar2000内で完結できる。また独自の機能であるため相性も良い。
- 短所
- 独自の機能故に他のソフトでは原則利用できない。
- MPC-BEではトラックの頭出しやアーティスト・タイトルの表示など一通りの機能が、チャプターという形で使える(MPC-BE v1.4.5で確認)。
- 単純に外部cueシートの内容をCUESHEETタグに書き込んでいるので、Mp3tagなどのタグ編集ソフトでも扱えるはず(100%互換性があるかどうかは不明)。
- 0.8.3における問題(0.9以降では解消済み)
- タグ周りに制限が多い。(外部CUESHEETと同様の扱い)
- 日本語を含むタグは、CUESHEETタグ内の記述を編集しなければならない。
- 注意点
Monkey's Audio Image Link file (APL)†
音楽ファイルに対し Monkey's Audio Image Link file (APLファイル) というトラックの頭出しファイルを作成する。
- 対応フォーマット : foobar2000がサポートしている全てのフォーマット
- 長所
- Monkey's Audioに対して作成したAPLファイルは対応アプリが多く、汎用性が高い。
- winamp、Lilith、winamp用Monkey's Audioプラグインを利用できるソフトウェア、DirectShowを利用できるソフトウェア*1で再生可能。
- APLファイルはApetagv2を利用するのでタグ周りの制限がない。
- 短所
- Monkey's Audio以外に対してのAPLファイルの作成はfoobar2000独自の機能なので、他のアプリでそのAPLファイルを利用できない。
- APLファイル+音楽ファイルのあるフォルダをfoobar2000に読み込ませると音楽ファイルまでプレイリストに登録されてしまうので管理しづらい。
Matroska†
cueシートをMatroskaコンテナのチャプターとして記録する。
- 対応フォーマット : MP3 / MP2 / AAC / Vorbis / AC3 / DTS / flac / TTA / WavPack
- 長所
- 1アルバム1ファイルですっきり管理できる。アルバムアートやcueシート、EACのlogファイルなども埋め込むことができる。
- foobar2000ではMP3のシークが非常に重いが、Matroskaコンテナでラップすることでこれを解決できる。
- Matroskaタグを利用するのでタグ周りの制限がない。
- Directshowを利用できるソフトウェア*2でも再生可能。チャプターの頭出しも可*3。
- 短所
- 対応する音声フォーマットが狭い。
- 非可逆圧縮フォーマットのMatroskaファイルではギャップレス再生がうまくいかない。(foo_matrsokaの既知の問題)
- foo_matroskaの完成度が低く、トラブルが多い。Matroska自体も十分な完成度だとは言えない。
- 注意点
- foo_ac3, foo_tta は改造版にアップデートしておくこと。installer同梱のものでは正常に動作しない。
- TTAの場合%__codec%によってCodec情報を取得できない
その他†
- FLAC の embedded cuesheet (埋め込みcueシート)
- FLACファイルにはFLACフォーマットの仕様としてcueシートの情報を埋め込むことができる。しかしTITLEやARTISTなどのメタデータを一切記録できないので利用価値は低い。foobar2000ではembedded cuesheetはinternal cuesheetに変換される。
- Oggコンテナのchained stream
- Oggコンテナ(OggVorbis/OggFLAC)はファイルを単純結合するだけで1アルバム1ファイルなファイルを作成できるよ。
作成方法†
cueシート+音楽ファイルの作成方法†
- EACで音楽CDをリップと同時にcueシートを作成するのが定番。EACの使い方は他サイトを参照。
- cueシートがない場合は cuesheet heaven などで検索すると見つかるかも。
Internal cuesheetの作成方法†
- cueシートと圧縮済みの音楽ファイル(Monkey's Audio/FLAC/WavPack/TAK)を用意する。
0.9以降の場合
- プレイリスト上から右クリック→Utils→Edit cuesheetを選び、Embedded cue sheet editorを開く。そこにcueシートの内容を写し、下部のEnable embedded cue sheet on this fileにチェックを入れる。
0.8.3の場合
- cueシートをテキストエディタで開いてコピーし、その内容を音楽ファイルにCUESHEETタグとして書き込む。
- 大量に処理する場合はスクリプトを使うと便利 詳しくはジャンプ先のページを参照のこと (要Ruby)
Monkey's Audio Image Link file (APL) の作成方法†
- cueシート+音楽ファイルを用意し、cueシートをfoobarに登録する。プレイリストでトラックを選択し、右クリック >Utils> Write APL link file(s) を実行する。
Matroskaの作成方法†
- mkvtoolnixをダウンロードしてインストールする。
- cueシート+音楽ファイルを用意する。mmg.exeを起動して、音楽ファイルを追加する。
- Attachments(添付ファイル)としてcueシートやジャケット画像などを保存してもよい。
- Chapter file にcueシートを指定する。また、"Output filename"の拡張子を.mkaから.mkvに変更する。最後に"Start muxing"して終了。
cueシート利用時の注意点†
v0.9からcueシートの扱いが大幅に改善された。
タグ | v0.8 | v0.9 |
GENRE | × | ○ |
DATE | × | ○ |
DISCID | × | ○ |
COMMENT | × | ○ |
CATALOG | × | ○ |
PERFORMER | ○ | ○ |
TITLE | ○ | ○ |
REPLAYGAIN_ALBUM_GAIN | ○ | ○ |
REPLAYGAIN_TRACK_GAIN | ○ | ○ |
REPLAYGAIN_ALBUM_PEAK | × | ○ |
REPLAYGAIN_TRACK_PEAK | × | ○ |
- foobar2000 は cueシートと同時に参照元ファイル(referenced_file)からもメタデータを読み込む。参照元ファイルへのタグ書き込みはしない。
- 文字コードUTF-8はBOMありにする。BOMなし(UTF-8N)では文字化けする。
- v0.8.3と違い絶対パスでの指定はできない。同じドライブ内であれば..\から始まるパスで指定可能。
cueシートのサンプルとタグ/フィールド
REM GENRE %genre%
REM DATE %date%
REM DISCID %discid%
REM COMMENT %comment%
CATALOG %catalog%
PERFORMER %album artist%
TITLE %album%
REM REPLAYGAIN_ALBUM_GAIN %__replaygain_album_gain%
REM REPLAYGAIN_ALBUM_PEAK %__replaygain_album_peak%
FILE %_filename_ext% WAVE
TRACK 01 AUDIO
PERFORMER %artist%
TITLE %title%
ISRC %isrc%
REM GENRE %genre% // アルバムのGENREに優先
REM DATE %date% // アルバムのDATEに優先
REM COMMENT %comment% // アルバムのCOMMENTに優先
REM REPLAYGAIN_TRACK_GAIN %__replaygain_track_gain%
REM REPLAYGAIN_TRACK_PEAK %__replaygain_track_peak%
INDEX 01 00:00:00
Tips†
v0.8での注意点†
- cueシート利用時に読み書きできるタグは ARTIST (PERFORMER) / TITLE / ALBUM タグと Replaygain情報のみ。Replaygain情報はコメント文として扱われ、CATALOG と ISRC は無視される。これ以外のタグは Database にのみ記録される。
- UTF-8 で cueシートを保存できない。UTF-8 (BOMあり) で書かれたcueシートの読み込みは可能。UTF-8N (BOMなし) は不可。
- 100分を超えるcueシートを取り扱うことができない。